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🌟朝日焼抹茶碗の謎🌟

🌟朝日焼抹茶碗の謎🌟

2023/05/24

🌟朝日焼抹茶碗の謎🌟

私の義理の祖母は、お寺の茶道師範でした。
30年ほど前のこと。
ある日、茶道に夢中だった私を呼んで、「これは、私の知人の朝日豊斎さんからもらったお茶碗。これをあげましょう、毎日使ってください」
と、私に木箱入りの抹茶茶碗を下さいました。

私は恐縮して受け取り、大事に飾ってましたが、間も無くその義理祖母は亡くなりました。

私は高価そうなお茶碗を眺め、本当に私が毎日使っても良いのか?
朝日豊斎さんって、朝日焼のお家元では?
でも、朝日焼の特徴だという鹿背模様(白い斑点)が無いし…

と悩み、宇治の朝日焼きの窯元へ訪ねて行きました。
30年ほど前のことです

朝日焼き会館で応対してくださった女性は、しばらく改め、
「確かにこちらで焼かれた者ですが、お箱と中身が違うようです。
箱には刷毛目とありますが、このお茶碗にはありません…ちょっとお待ちいただけますか?」
と、お茶碗を持って奥へ入って行かれました。

しばらくして出てこられ
「この表書きの茶碗ではありませんが、かなり価値のあるものです。
おそらくウン十万円はするでしょう。お売りになりますか?」

とおっしゃいました。
売りするつもりではありません。私などが毎日使わせて頂いても良いものかお聞きしたくて」

というと「そう言われたのなら、ぜひおゆう下さい」と言って頂き、数年に一度、お正月に大事に出しては抹茶ていました。

この度、訳あって手放そうかと思い、どうせなら、窯元さんで買い取って頂けないかとお尋ねすると、買取はされていないとのこと。

では、鑑定だけでも、と本日お伺いしてきました。

16代お家元と、そのお母様がお二人で大変親切に見て下さいました。

やはり、箱と中身が違う、箱には刷毛目とあるが、これには無い…
でも、現お家元のお母様のお父上14代朝日豊斎さんが、焼かれたに間違いはないということ。

ただ…
先先代の数ある作品の中に、どれもこれと同じような物を見たことがない。かなり珍しいものだ、とおっしゃいました。

高台周辺にかけてある釉薬の掛け方もおそらくかなり初期のもので、これに似たものは見たことはありません。祖父はいつも釉薬を研究していました…茶碗の肌にも砂利を入れてみたりして工夫されている。大徳寺から授かった猶香庵の印が無いので、おそらくそれ以前、1960〜70年の作品か、あるいはそれ以前ではないか、と思われます。

では、この箱に入っていた刷毛目茶碗はどこに…?
また、この抹茶碗の正しい木箱はどこに…?

もしかしたら、この抹茶碗の本来の木箱の中に、刷毛目茶碗が入っているのかもしれません。

おそらく本来の木箱には「燔師荒土」と書いてあるのでは、ということです。

抹茶碗に対して、木箱はサイズぴったりに作られるそうです。
この抹茶碗とお箱は、直径はピッタリ同じなのですが、高さがほんの少し…お箱の方が高いのです。

この抹茶碗はかなり大きめなのですが、それより更に背の高い物が入っていたのでしょうか?

それでは、入れ替わった時は、少し窮屈気味に蓋がなされたのでしょうか?

謎は、解けそうで、また更なる謎を呼ぶのでした。

ただ、今の市場価格は、たとえ価値があるものでも、古い抹茶碗に対して大変低価格なのだそうです。どうしても新しいものが好まれるそうです。

何故でしょうね?
14代の松林豊斎さんの研究家なら、きっと欲しいと思われるんじゃないでしょうか?

私は、やはり、義祖母の形見の抹茶碗を大切にしようと思いました。
いつか、入れ替わった木箱と刷毛目茶碗を見つけたいものだと思います。

因みに、最後の写真は、宇治駅近くの駿河屋さんの店内です!
写メ撮り忘れましたが、抹茶ソフトクリーム(🍦←緑) 美味しかったです✨

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